国際結婚でどっちの国に住む?日本とベトナムの暮らしを比較
「ベトナム人の女性と結婚したら、日本とベトナムのどちらで暮らすのだろう」。国際結婚を考え始めると、住む場所が気になる方もいます。
国際結婚の住む場所は、仕事や在留の手続き、家族との距離など、暮らしの多くに関わります。国際結婚でどっちの国に住むかは、結婚してから決めるのでは遅く、交際中から話し合っておきたいテーマです。
結論から言うと、日本とベトナムのどちらが良いという正解はありません。ふたりの仕事・言葉・家族の事情を並べて比べ、納得できる形を一緒に選ぶことが大切です。
この記事は、まだお相手がいない独身の日本人男性に向けて書いています。
書き手は、ベトナム・ホーチミンに常駐するアオザイブライダルの仲人です。日本人とベトナム人の2名体制で、日本人男性とベトナム人女性の婚活をお手伝いしています。
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国際結婚で住む場所を決める前に知っておきたいこと
国際結婚の住む場所は、どちらの国が良いかではなく、ふたりの事情に合うかどうかで決めるものです。日本で暮らすか、相手の国で暮らすかは、国際結婚ならではの大きな選択です。住む国によって、仕事の続け方や必要な手続きが変わります。
住む場所は暮らし全体に関わる
住む国が決まると、仕事・住まい・言葉・家族との関わり方が連動して決まります。住む場所を後回しにすると、結婚の手続きや仕事の準備が進めにくくなります。
一方の希望だけで決めると、移り住む側に負担が偏りやすくなります。お互いが「移住したくない理由」と「移住してもよい条件」を言葉にして伝え合うことが出発点です。
当相談所の女性会員は日本在住の方が多い
当相談所の女性会員では、日本在住の方が1,459名(81.3%)、ベトナム在住の方が335名(18.7%)でした(会員1,795名・2026年9月5日時点)。日本在住の女性の中には、日本での暮らしにすでに慣れている方もいます。
会員の集計は登録値をまとめたもので、紹介できる人数や結婚を保証するものではありません。詳しい集計は、ベトナム人女性会員の統計で公開しています。
日本とベトナムの暮らしを6つの観点で比較
住む場所は、仕事・在留資格・言葉・家族との距離・子育て・物価の6つの観点で比べると整理しやすくなります。日本人男性とベトナム人女性の夫婦を例に、日本で暮らす場合とベトナムで暮らす場合を表にまとめました。実際の状況は、ふたりの仕事や住む地域によって変わります。
| 観点 | 日本で暮らす場合 | ベトナムで暮らす場合 |
|---|---|---|
| 仕事 | 夫は今の仕事を続けやすい | 夫は仕事を探すか、現地で働ける形を整える |
| 在留資格 | 妻が「日本人の配偶者等」を申請する | 夫がベトナムの配偶者向けの滞在の区分(TT)を申請する |
| 言葉 | 妻が日本語で暮らす場面が多い | 夫がベトナム語で暮らす場面が多い |
| 家族との距離 | 妻が家族と離れて暮らす | 夫が家族と離れて暮らす |
| 子育て | 日本の学校や保育の仕組みを使う | 学校の選び方や教育の言葉を考える必要がある |
| 物価 | 日本の物価で家計を組む | 品目によって日本より安いものも割高なものもある |
表を見ると、どちらの国に住んでも、夫婦のどちらかが「母国を離れる側」になることが分かります。移り住む側の負担を、もう一方がどう支えるかを話し合うことが大切です。
日本で暮らす場合のポイント
日本で暮らす場合は、妻が「日本人の配偶者等」の在留資格を得て、日本の生活に慣れていく形になります。日本人男性とベトナム人女性の国際結婚では、日本で暮らす形を選ぶ夫婦もいます。夫が今の仕事や住まいを続けられる点が、日本で暮らす場合の特徴です。
在留資格は「日本人の配偶者等」
妻が日本で暮らすには、出入国在留管理庁で「日本人の配偶者等」の在留資格を得る必要があります。在留期間は5年・3年・1年・6月のいずれかで、更新しながら暮らします。
厚生労働省は、「日本人の配偶者等」などの身分に基づく在留資格は、在留中の活動に制限がないと説明しています。妻が日本で働く場合も、仕事の種類に制限はありません。ただし、在留資格の審査は出入国在留管理庁が行い、必ず許可されるとは限りません。
手続きの流れは、ベトナム人配偶者ビザの手続きで詳しく紹介しています。
永住許可という選択肢もある
日本で長く暮らす場合は、永住許可を申請する方法もあります。出入国在留管理庁のガイドラインでは、日本人の配偶者は、実体を伴った婚姻生活が3年以上続き、引き続き1年以上日本に在留していることが特例の目安です。
2026年8月には、配偶者の特例を見直す改定案が公表されています。条件と改定案の内容は、ベトナム人妻の永住権にまとめています。
妻が家族と離れる負担を支える
日本で暮らす場合、妻はベトナムの家族と離れて暮らすことになります。里帰りの頻度や、家族への連絡の取り方を、結婚前に話しておくと安心です。
日本語に不安がある場合は、言葉の学び方も一緒に考えましょう。夫婦の言葉の選び方は、国際結婚の言葉の壁で紹介しています。
住む場所や在留の手続きについて具体的に聞きたい方は、仲人が状況を伺ってお答えします。
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ベトナムで暮らす場合のポイント
ベトナムで暮らす場合は、夫が配偶者向けの滞在の区分で在留し、仕事と言葉の準備を整える必要があります。ベトナムへの移住を考える場合は、日本で暮らす場合とは逆に、夫が母国を離れる側になります。夫の仕事をどうするかが、最初に考えたい点です。
配偶者向けの在留の区分は「TT」
ベトナムの外国人の出入国・在留に関する法律では、ベトナム国民の配偶者である外国人に「TT」という区分の査証が定められています。TT査証の期間は、法律上1年以内です。
TT査証を持つ人は、一時滞在カード(thẻ tạm trú)の交付を受けられるか審査される対象になります。法律の原文では、TTの一時滞在カードの期間は3年以内とされています。手続きの詳細や必要書類は、ベトナムの出入国管理当局の最新の案内で確認してください。
ベトナムの法律には、ベトナムに定住するベトナム国民の配偶者が、永住を申請できる規定もあります。条件には、合法な住まいと安定した収入があり、3年以上続けて一時滞在していることなどが含まれます。
ベトナムで仕事をどうするか
ベトナムで暮らす場合、夫は現地で働くか、日本の仕事をリモートで続けるかを考える必要があります。ベトナムの法律では、労働を目的に入国する外国人には、労働法に基づく労働許可が求められています。
働き方によって必要な手続きが変わるため、勤務先や専門家に確認しておくと安心です。家計の柱をどうするかは、移住を決める前に具体的に話し合いましょう。
物価と暮らしの感覚を確かめる
ベトナムの物価は、食事や交通など品目によっては日本より安く感じられます。一方で、輸入品や日本の食材は割高になることもあります。
品目ごとの値段の目安は、ベトナムの物価にまとめています。移住を考える場合は、短期間の滞在で実際の暮らしを体験してみるのもよい方法です。
住む場所を決めるために話し合う5つの項目
住む場所を決めるときは、仕事・家計・言葉・家族・将来の5つの項目を順番に話し合うと進めやすくなります。住む国は、一度決めたら変えられないものではありません。ただし、移り住むたびに仕事や手続きの準備が必要になるため、最初に方向を合わせておくことが大切です。
| 項目 | 話し合いたい内容の例 |
|---|---|
| 仕事 | どちらが今の仕事を続けるか・移住後の働き方 |
| 家計 | 収入の柱・生活費・家族への仕送り |
| 言葉 | 家庭で使う言葉・相手の国の言葉を学ぶか |
| 家族 | 里帰りの頻度・親の介護が必要になったとき |
| 将来 | 子どもを望むか・何年後にどこで暮らしたいか |
5つの項目は、交際中の会話の中で少しずつ聞いていけば十分です。お互いの希望が違っても、違いを知っておくこと自体に意味があります。
「何年後にどこで」まで話しておく
住む場所は、今だけでなく将来の希望も含めて話しておくと安心です。たとえば「子どもが小さいうちは日本、親の介護が必要になったらベトナム」のように、時期で考える夫婦もいます。
結婚後の家事やお金、親戚付き合いの考え方は、ベトナム人女性との結婚生活で紹介しています。
仲人としておすすめしていること
当相談所の交際期間は、原則3か月です(延長は相談できます)。仲人としては、交際期間のうちに住む場所と仕事の見通しを話し合うことをおすすめしています。
お見合いでは、仲人が司会・通訳として同席します。住む場所のような大切な希望も、お見合いの段階から言葉の行き違いなく確かめられます。
国際結婚で住む場所のよくある質問
国際結婚で住む場所について、婚活を考える男性からよくある質問にお答えします。日本に住みたい場合、相手は日本在住の女性のほうがよいですか?
日本在住の女性は、日本での暮らしにすでに慣れている点で、結婚後の生活を始めやすい面があります。ただし、ベトナム在住の女性でも日本で暮らしたいと考える方はいます。住む場所の希望は、お相手一人ひとりに確認することが大切です。
ベトナムに移住したくない場合、伝えてもよいですか?
ベトナムに移住したくない場合は、早めに正直に伝えることをおすすめします。理由もあわせて伝えると、相手も自分の希望を話しやすくなります。住む場所の希望が合うかどうかは、結婚を決める前に確かめておきたい点です。
結婚したら、妻はすぐに日本で働けますか?
「日本人の配偶者等」の在留資格は、在留中の活動に制限がない資格とされています。在留資格を得たあとは、仕事の種類に制限なく働けます。在留資格の審査は出入国在留管理庁が行い、許可されるとは限りません。
日本とベトナムを行き来しながら暮らすことはできますか?
日本とベトナムを行き来する暮らし方を選ぶ夫婦もいます。ただし、在留の期間や仕事、子どもの学校など、両方の国の事情を合わせて考える必要があります。どちらの国を生活の中心にするかを決めておくと、手続きの準備がしやすくなります。
まとめ:国際結婚の住む場所はふたりで比べて決める
国際結婚でどっちの国に住むかは、6つの観点で比べ、ふたりが納得できる形を選ぶことが大切です。- 国際結婚の住む場所に正解はなく、ふたりの事情に合うかどうかで決めるものです
- 仕事・在留資格・言葉・家族との距離・子育て・物価の6つの観点で比べると整理しやすくなります
- 日本で暮らす場合は「日本人の配偶者等」、ベトナムで暮らす場合はTTの区分で在留します
- 仕事・家計・言葉・家族・将来の5つの項目を、交際中から少しずつ話し合いましょう
どちらの国で暮らしても、移り住む側には新しい環境に慣れる負担があります。お互いの負担を分かち合う気持ちが、国際結婚の暮らしを支えます。
住む場所の希望も含めて、自分に合うお相手を探したい方は、まずはLINEで気軽にご相談ください。
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参考
- 在留資格「日本人の配偶者等」(出入国在留管理庁)
- 我が国で就労する外国人のカテゴリー(厚生労働省)
- 永住許可に関するガイドライン(出入国在留管理庁)
- 外国人の出入国・在留に関する法律 第47/2014/QH13号(ベトナム政府官報)
- 同法を改正する法律 第23/2023/QH15号(ベトナム政府)
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Supervisor
この記事の監修者
安仲 圭大(アオザイブライダル代表)
2021年よりベトナム・ホーチミン在住。現地で貿易を行う商社と不動産販売会社を経営し、ベトナム人仲人と日本人仲人の2名体制で、日本人男性とベトナム人女性の国際結婚をサポートしている。
執筆協力:Pham Thi Thanh An(シニアカウンセラー)
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