日本人とベトナム人の子の国籍|二重国籍・国籍留保・国籍選択
「ベトナム人女性と結婚したら、生まれてくる子どもの国籍はどうなるのだろう」。国際結婚を考え始めると、先のことながら気になる方もいます。
国際結婚の子どもの国籍は、日本の国籍法とベトナムの国籍法の両方で決まります。日本人の父の子は日本国籍を取得し、ベトナム国籍は出生登録のときの父母の選択などで決まります。子どもの国籍は、どちらの国で生まれるかによって必要な手続きも変わります。
この記事は、まだお相手がいない独身の日本人男性に向けて書いています。結婚前に知っておくと安心な「子どもの国籍」の基本を、両国の条文と公的機関の案内で確認しながら整理します。
書き手は、ベトナム・ホーチミンに常駐するアオザイブライダルの仲人です。日本人とベトナム人の2名体制で、日本人男性とベトナム人女性の婚活をお手伝いしています。
結婚後の暮らしまで含めて国際結婚を考えたい方は、気になることをLINEで送るところから始められます。
まずは公式 LINE で "無料相談"!
- 現地ホーチミン常駐の仲人が無料でお答えします
- 女性会員のプロフィールを定期的に配信
- LINE 通話でのオンライン面談にも対応
友だち追加後、相談したいことをメッセージでお送りください
国際結婚の子どもの国籍は日本とベトナムの両方の法律で決まる
日本人とベトナム人の子どもの国籍は、日本の国籍法とベトナムの国籍法がそれぞれ別に決めます。国籍は、それぞれの国が自国の法律で決めるものです。法務省も、ある人が外国の国籍を持つかどうかは、その外国の当局に確認するよう案内しています。
日本側は国籍法第2条で決まる
日本の国籍法第2条は、出生の時に父又は母が日本国民であれば、子は日本国民になると定めています。日本人男性とベトナム人女性の夫婦の子は、生まれた場所にかかわらず、出生によって日本国籍を取得します。
ただし、外国で生まれて外国の国籍も取得した場合は、後で説明する「国籍留保」の届出が必要です。届出をしないと、日本国籍を失うことがあります。
ベトナム側は国籍法第16条で決まる
ベトナムの国籍法第16条第2項は、父母の一方がベトナム国民で、もう一方が外国人の子について定めています。2025年7月1日に施行された改正法(法律第79/2025/QH15号)で、条文が改められました。
改正後の条文では、父母が出生登録の手続きの際にベトナム国籍を選ぶことに合意すれば、子はベトナム国籍を持ちます。ベトナム国内で生まれ、父母が国籍の選択に合意できなかった場合も、子はベトナム国籍を持つと定めています。
両方の国籍を持つと「重国籍」になる
日本国籍とベトナム国籍の両方を持つ状態を、法務省は「重国籍」と呼んでいます。一般には「二重国籍」とも呼ばれます。
日本の国籍法では、重国籍の人は決められた期限までにどちらかの国籍を選ぶ必要があります。国籍選択の期限と方法は、後の章で詳しく説明します。
日本で生まれた場合とベトナムで生まれた場合の違い
子どもの国籍の手続きは、日本で生まれるかベトナムで生まれるかによって、期限と届出先が変わります。日本人とベトナム人の夫婦の子どもは、どちらで生まれても日本国籍を取得します。違いが出るのは、出生届の期限と、国籍留保の届出が必要かどうかです。
| 項目 | 日本で生まれた場合 | ベトナムで生まれた場合 |
|---|---|---|
| 日本国籍 | 出生により取得 | 出生により取得 |
| 日本の出生届 | 14日以内 | 3か月以内 |
| 国籍留保の届出 | 不要 | ベトナム国籍も取得したら必要 |
| ベトナム国籍 | 父母の選択による | 父母の選択による(合意できなければ取得) |
表の期限は、戸籍法第49条と第104条の定めです。国外で生まれた場合の出生届の期限は3か月以内で、国籍留保の届出も出生届とともに3か月以内に行います。
日本で生まれた場合
日本で生まれた子は、市区町村役場に14日以内に出生届を出します。日本で生まれた子には、国籍法第12条の国籍留保の決まりは当てはまりません。
ベトナム国籍を持たせたい場合は、在日ベトナム大使館で出生登録の手続きをします。在日ベトナム大使館の案内では、父母の一方が外国籍の場合、ベトナム国籍を選ぶ合意書を作ります。父母は、大使館の領事担当官の前で合意書に署名します。
大使館の案内では、出生登録に病院の出生証明書の原本や父母の住民票、在留カードの写しなどが必要です。日本語の書類は、ベトナム語に翻訳し、翻訳文の公証を受けるよう求められています。
ベトナムで生まれた場合
ベトナムで生まれ、ベトナム国籍も取得した子は、日本国籍を留保する届出が必要です。出生届とともに、出生の日から3か月以内に、日本の大使館・領事館または市区町村役場へ届け出ます。
法務省の案内では、出生届の用紙の中に「日本国籍を留保する」と記載する形で届け出ます。国籍留保の届出をしないと、子は出生の時にさかのぼって日本国籍を失います。
ベトナムで出産を考える場合は、妊娠中のうちに在ベトナム日本国大使館や在ホーチミン日本国総領事館の案内を確認しておくと安心です。現地の出生登録とあわせて、3か月の期限に間に合う段取りを考えておきましょう。
国籍留保とは|期限は出生から3か月以内
国籍留保とは、外国で生まれて外国籍も取得した子が日本国籍を失わないよう、出生届とともに行う届出です。国籍法第12条は、出生により外国の国籍を取得した日本国民で国外で生まれた人について定めています。戸籍法の定めにより日本国籍を留保する意思を示さなければ、出生の時にさかのぼって日本国籍を失います。
国籍留保の届出の期限と届出先
戸籍法第104条により、国籍留保の届出は出生の日から3か月以内に、出生の届出とともに行います。届出ができるのは、父や母などの法定代理人です。
天災など、届け出る人の責任ではない理由で期限内に届け出られなかった場合は、例外があります。届出ができるようになった時から14日以内であれば、届け出ることができます。
国籍留保を忘れたときの再取得
国籍留保の届出をしなかった子も、条件を満たせば日本国籍を再取得できます。国籍法第17条により、18歳未満で日本に住所があれば、法務大臣に届け出て日本国籍を取得できます。
法務省の案内では、「日本に住所がある」とは、生活の本拠が日本にあることを指します。観光や親族訪問などで一時的に日本にいる場合は、住所があるとは認められません。再取得の届出先は、住所地を管轄する法務局・地方法務局です。
国際結婚の手続き全体の流れを結婚前に知っておきたい方は、国際結婚の準備も参考にしてください。
国籍選択はいつまで|20歳までに選ぶのが原則
18歳未満で重国籍になった子は、20歳に達するまでに日本国籍かベトナム国籍のどちらかを選ぶ必要があります。国籍法第14条第1項は、重国籍の人に国籍の選択を求めています。期限は、重国籍になった時の年齢によって2つに分かれます。
- 18歳に達する以前に重国籍になった場合は、20歳に達するまで
- 18歳に達した後に重国籍になった場合は、重国籍になった時から2年以内
生まれた時から両方の国籍を持つ子は、1つ目に当てはまるため、20歳までに選択します。法務省によると、成年年齢の引下げにあわせて、2022年4月1日から現在の期限に改められました。改正前は「22歳に達するまで」でした。
日本国籍を選ぶ2つの方法
法務省の案内では、日本国籍を選ぶ方法は2つあります。1つはベトナムの法令に従ってベトナム国籍を離脱し、市区町村役場などに「外国国籍喪失届」を出す方法です。
もう1つは、市区町村役場または在外公館に「国籍選択届」を出し、日本国籍を選ぶと宣言する方法です。選択の宣言をした人は、国籍法第16条第1項により、外国の国籍の離脱に努めなければなりません。
ベトナム国籍を選ぶ方法
ベトナム国籍を選ぶ場合は、日本国籍を離脱する「国籍離脱届」を法務局・地方法務局などに出します。外国の法令に従ってその国の国籍を選んだ場合も、国籍法第11条第2項により日本国籍を失います。
国籍の選択をする本人が15歳未満のときは、法定代理人が代わって手続きをします。将来どちらの国籍を選ぶかは、子ども本人の意思を大切にしながら考えることになります。
期限を過ぎるとどうなるか
期限を過ぎても、重国籍の人はどちらかの国籍を選ぶ必要があります。国籍法第15条により、法務大臣は期限内に選択しない人に国籍の選択を催告できます。
催告を受けた日から1か月以内に日本国籍を選ばないと、原則として日本国籍を失います。期限が近づいたら、最寄りの法務局・地方法務局や市区町村役場に相談しましょう。
国籍の手続きを含めて、ベトナム人女性との結婚生活を具体的にイメージしたい方は、仲人がLINEで個別にお話を伺います。
まずは公式 LINE で "無料相談"!
- 現地ホーチミン常駐の仲人が無料でお答えします
- 女性会員のプロフィールを定期的に配信
- LINE 通話でのオンライン面談にも対応
友だち追加後、相談したいことをメッセージでお送りください
二重国籍の子どものパスポートと出入国の注意
重国籍の子どもは、日本では日本人として扱われるため、日本の出入国には日本のパスポートを用意しておくと安心です。日本国籍とベトナム国籍の両方を持つ子は、両国のパスポートを持つことが考えられます。どちらの国でどの書類を使うかは、それぞれの国のルールによります。
日本の出入国で気をつけたいこと
出入国在留管理庁のQ&Aには、日本のパスポートを持たない二重国籍の人が帰国する場合の案内があります。発行後6か月を経過していない戸籍謄本などで日本国籍を確認できれば、日本人として帰国できるとされています。
外国のパスポートだけで帰国する場合は、戸籍謄本などの書類が必要になります。日本のパスポートを作っておくと、帰国のたびに書類をそろえる手間を減らせます。
ベトナム側の扱いは大使館に確認する
ベトナムの改正国籍法第5条第4項は、外国籍も持つベトナム国民の扱いを定めています。ベトナムの領土内では、ベトナムの機関との関係でベトナム国籍だけを認めるという内容です。
ベトナムへの入国や出国でどちらのパスポートを使うかなど、具体的な扱いは条文だけでは判断できません。渡航の前に、在日ベトナム大使館や総領事館に確認してください。
結婚前に夫婦で話しておきたい子どもの国籍のこと
子どもの国籍は、どこで出産するか、ベトナム国籍を持たせるかを夫婦で話し合うことから考え始めます。子どもの国籍の手続きは、出産の場所と、夫婦がどちらの国籍を持たせたいかで変わります。結婚前の段階で、次の3点を知っておくと話し合いがしやすくなります。
- 日本とベトナムのどちらで出産するか
- 子どもにベトナム国籍も持たせたいか
- ベトナムで出産する場合、3か月以内の国籍留保をどう間に合わせるか
国籍の考え方は、家族の住む場所や、将来の進学や仕事の見通しによっても変わります。仲人としては、交際中に将来住む国や子どもの話をしておくことをおすすめしています。
名前や苗字とあわせて考える
子どもの国籍は、名前や苗字の決め方ともつながっています。日本人の親の氏や子どもの氏の扱いは、ベトナム人と結婚したら苗字はどうなる?で整理しています。
両国で呼びやすい名前の考え方は、日越ハーフの子どもの名前の付け方で紹介しています。言葉や教育の考え方は、日越ハーフの子育ても参考にしてください。
相続や家族の手続きも視野に入れる
国際結婚では、相続など家族の手続きにも国籍が関わります。考え方の基本は、国際結婚の相続でまとめています。
個別のケースでの判断は、日本側は法務局・地方法務局や市区町村役場、ベトナム側は在日ベトナム大使館に確認してください。手続きに不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談する方法もあります。
国際結婚の子どもの国籍のよくある質問
国際結婚の子どもの国籍について、結婚前の男性が気になりやすい質問に条文と公的機関の案内でお答えします。日本人とベトナム人の子どもは自動的に二重国籍になりますか?
自動的に二重国籍になるとは限りません。日本国籍は国籍法第2条により出生で取得しますが、ベトナム国籍は出生登録の際の父母の選択などで決まります。ご自身のケースは、在日ベトナム大使館に確認してください。
ハーフの子の国籍選択はいつまでにすればいいですか?
生まれた時から重国籍の子は、20歳に達するまでに国籍を選択します。18歳に達した後に重国籍になった場合は、その時から2年以内です。2022年4月1日から現在の期限になりました。
国籍留保の届出を忘れたらどうなりますか?
外国で生まれて外国籍も取得した子は、出生の時にさかのぼって日本国籍を失います。18歳未満で日本に住所があれば、法務大臣への届出で日本国籍を再取得できます。届出先は法務局・地方法務局です。
日本とベトナムの二重国籍の子は、どちらのパスポートを使いますか?
日本国籍を持つ子は、日本では日本人として扱われるため、日本のパスポートを用意しておくと安心です。ベトナムへの出入国での扱いは、渡航前に在日ベトナム大使館に確認してください。
まとめ:子どもの国籍は結婚前に基本を知っておくと安心
日本人とベトナム人の子どもの国籍は、出生地とベトナム国籍の選択によって手続きが変わるため、結婚前に基本を知っておくと安心です。- 日本人の父の子は、国籍法第2条により出生で日本国籍を取得します
- ベトナム国籍は、出生登録の際に父母がベトナム国籍を選ぶことに合意した場合などに取得します
- ベトナムで生まれてベトナム国籍も取得したら、3か月以内に国籍留保の届出が必要です
- 重国籍の子は、原則として20歳に達するまでにどちらかの国籍を選択します
制度の細かい点は、出産の場所や家族の状況によって変わります。実際の手続きの前に、法務局や大使館の最新の案内を確認してください。
国際結婚の先にある家族の暮らしまで一緒に考えたい方は、まずはLINEで気軽に質問してみませんか。
まずは公式 LINE で "無料相談"!
- 現地ホーチミン常駐の仲人が無料でお答えします
- 女性会員のプロフィールを定期的に配信
- LINE 通話でのオンライン面談にも対応
友だち追加後、相談したいことをメッセージでお送りください
参考
- e-Gov法令検索:国籍法(昭和25年法律第147号)
- e-Gov法令検索:戸籍法(昭和22年法律第224号)
- 法務省:国籍の選択について
- 法務省:国籍Q&A
- 出入国在留管理庁:出入国審査・在留審査Q&A(Q16)
- ベトナム政府:ベトナム国籍法の一部を改正する法律(第79/2025/QH15号)
- 在日ベトナム大使館:出生登録の手続き(ベトナム語)
法令と公的機関の案内を2026年10月19日に確認しました。制度や手続きは変わることがあるため、手続きの前に各窓口の最新の案内をご確認ください。
Supervisor
この記事の監修者
安仲 圭大(アオザイブライダル代表)
2021年よりベトナム・ホーチミン在住。現地で貿易を行う商社と不動産販売会社を経営し、ベトナム人仲人と日本人仲人の2名体制で、日本人男性とベトナム人女性の国際結婚をサポートしている。
執筆協力:Pham Thi Thanh An(シニアカウンセラー)
運営情報・代表プロフィールを見る →