ベトナム人女性と国際結婚、ベトナムの宗教事情について

日本では、仲人をたてて、お見合いする伝統的な婚姻の儀式のある時代は、宗教事情もかなり関係がありました。結婚はそもそも宗教と深いつながりがあります。それは、ベトナムにおいても同じで、ベトナム以外の東南アジアにおいても、宗教と関係があります。ベトナム女性と交際するにあたって、ベトナム人、ベトナムの結婚を理解する上において、その国の宗教を知っておくと、とても役にたちます。

ベトナムの宗教の概要

ベトナムも日本と似ていて、無宗教の人が多いですが、実際は、宗派として多いのが仏教徒で、その次に、カトリック教徒となります。ベトナムは民族が54もある多民族国家です。その中で、一番多いのがキン族です。キン族は仏教徒(大乗仏教)のために、ベトナムでは、仏教徒が一番多くなっています。ベトナムも東南アジアの国なので、仏教の国と思われがちですが、調査によりますと、ベトナムの宗教や信仰は、無宗教が74%で、日本と同じく無宗教の国と言えます。しかも、さらに日本と似ているのは、無宗教の人の多くは、にわか仏教徒で、なんとなく仏教徒であって、都合のよい時だけ、仏教行事に参加します。ベトナム人の宗教は、日本人の宗教観とよく似ています。ベトナム人は、日本の宗教文化に親しみやすいと思います。

ベトナムの宗教の主な種類

  • 無宗教 74%
  • 大乗仏教 13%
  • カトリック 7%
  • カオダイ教 2.5%
  • ホアハオ教(新興宗教) 1.5%
  • プロテスタント 1%

大乗仏教は、ユーラシア大陸の中央から東部で信仰された仏教の宗派です。出家者だけではなく在家者を含めたすべての人の救済ができるという仏教宗派で、一つの派を指しているわけではありません。大乗仏教は、出家で救済を説く初期の仏教の世界観や救済観を乗り越えて発展したという経過があり、釈迦の教えそのものからは変わっているところがあり、特色は初期仏教の内容と比べるとはっきりします。大乗仏教の代表的な仏教経典は、日本では、般若経、法華経、浄土三部経、華厳経、涅槃経、大日経、金剛頂経などです。日本の仏教の主な宗派は、ほとんど大乗仏教です。

宗教の状況について

ベトナムは、経済開放政策であるドイモイによって宗教信仰も開放政策がすすみ、お寺や教会などが復興して、宗教法人もつくって、信者も増えました。ベトナムも無宗教の人が多いですが、宗派としては、多いのが仏教徒で、その次にカトリック教徒になります。ベトナムの仏教は、大乗仏教とされていますが、実際は、仏教に儒教と道教が混ざっているものとされています。寺の一部では、道教系の神様も祀られています。葬儀や法事などの儀式は、儒教が一般的になります。カトリック教では、社会主義の前の統治国であったフランスの宗教として、北部の海岸地方で始まりました。フランスの植民地時代に地域を越えて、全国にすっかり広まりました。ハノイやホーチミンなどの都会にも広まりました。

少数民族の宗教

ベトナムの各地地方の少数民族は、それぞれ、信仰する宗教があります。山地の少数民族は精霊崇拝(アミニズム)を崇拝しています。その精霊崇拝に中国の仏教や道教などが混ざり、独特の宗教を信仰しています。南部のクメール族では、タイやミャンマーなどの上座部仏教(小乗仏教)を信仰する者が多いと言われています。南部のチャム族は、ヒンドゥー教やイスラム教などを信仰しています。ヒンドゥー教やイスラム教は、都会でも、インド系の住民が信仰しています。南部では仏教から分かれたブッダの化身といわれる教祖が開いた新興宗教のホアハオ教も信仰されています。さまざまな宗教が混在しているベトナムですが、日本の神道のような信仰があると言われています。神社(デン)に祀られている水の神様などの自然の神々のほか、民族の英雄が祀られています。日本の神社に似ています。

無宗教について

調査によれば、一般的に東南アジアでは、宗教熱心な国が多く、宗教を信仰している人が多いですが、ベトナムの宗教や信仰は、無宗教が74%と、日本と同じように無宗教の国と言えます。しかし、実際は、日本とよく似ていて、無宗教者の多くの人は、にわか仏教徒、時々、仏教徒であって、都合のよい時だけ仏教的行事に参加します。日本人日頃は無宗教な人でも、たとえば、お正月であれば、男性も女性も年齢に関係なく初詣に行き、クリスマスになればローソクを立てて、ケーキを食べるのと同じことです。ベトナムの多くの家庭では、小さな祭壇があって、先祖を祀って線香を焚いたり、お供えをしたりします。また、毎月旧暦の1日や15日は、本物とそっくりの偽札を燃やして、先祖にお金を届けるという儀式をしています。ベトナムの人の宗教との関わりは、日本人と似ています。 彼らは一年の内、イベント的な時期には、仏教の寺院に行って、家庭においては、家族や先祖を信仰し、クリスマスには、イベントとしてクリスマスを家族などと楽しみます。