ベトナムへ仕送りする
ベトナム人女性と結婚すると、仕送りということで、お金を母国の両親などのいるベトナムに送ることがあります。
ただし、多くの日本在住のベトナム人妻の場合、仕送りは、女性が日本で働いた給料の中から仕送り費用を出すケースが多いのが現状です。
母国ベトナムの両親が、元気に働いていて、毎月の仕送りは要らないというケースも多くあります。仕送りは、一般的に外国人妻の場合、送金していると思われがちですが、ベトナム人女性の母国の事情によって、人さまざまです。仕送りはしている人と、してない人もいます。
母国の両親が元気に働いているなら、毎月の仕送りは不要となるケースが多いようです。ベトナム人は会社勤めの人が少なく、ほとんどの人が自営業です。定年がないので、高齢の両親も働いている人が多くいます。親が働いているなら、仕送りは不要というケースも多くあります。
ベトナムは、社会主義の国で、社会保障も充実していて、年金もありますが、現実は、ベトナムも日本の年金のような制度はあるのですが、ビジネスや仕事に追われて、加入している人はほとんどいません。
ベトナムでは年金に加入している人が少ないから、仕送りする習慣が今でもあると言えます。
仕送り費用
月に2万円~5万円が相場となります。月額5万円あれば、都市部でも(老)親夫婦は暮らせます。
ベトナムでは、基本的に1人暮らしであれば5万円ほどあれば、十分生活できます。地域によっては、地方なら月に3万円あれば十分暮らしていけるようです。
このことからも、ベトナムの実家への仕送りは、月に2万円~5万円が妥当ではないか、と一般的にされています。
贅沢さえしなければ、これで、たとえ都市部でも(老)親夫婦は暮らせます。
扶養控除
なお、扶養控除ですが、日本で国外に住んでいる親族に送金した場合に扶養控除とすることができます。
「親族関係書類」および「送金関係書類」の添付または提示します。詳しくは、市区町村の役場に相談して下さい。
税務署
また、日本から100万円以上の海外送金をすると、金融機関から税務署へ連絡されます。そして、税務署から海外送金の理由や使途用途、税金申告の有無、贈与関係の有無などの照会が来る場合がありますので注意が必要です。家族へ援助で送金した場合、贈与と認定されて贈与税がかかる場合があります。
仕送りの背景
仕送りは、ベトナム人女性の母国の事情によります。仕送りはしている人としていない人もいます。その事情について、要因をあげてみます。
ベトナムの平均年収
ベトナム人の2019年の国内平均年収調査では、日本円で約41万円程度でした。月収なら、約3万4千円の収入ということになります。
日本に比べるとかない低い金額となります。ハノイやホーチミンなどの大都市でも日本よりかなり低くなっています。
ベトナムの家族
ベトナムでは、家族の絆はとても重要とされています。ベトナム人は情に厚くて、家族をとても大切にします。家族が最優先です。
日本に比べれば、ベトナムでは、核家族化があまりすすんでいません。大都会のハノイやホーチミンでは、核家族化は、すすんでいますが、地方では、いまだに、大家族の家がたくさんあります。
ベトナムでは、家族というと親戚も含むケースが多くなります。6親等くらいまで、仕事を休んでも、家族や親戚とお付き合いをするのが当然と思われている傾向があります。
ベトナム国民の70%が農村に住んでいて、60%の人が農業に従事しています。ほぼ自給自足なので現金収入がなくても暮らせる家庭も多くあります。
ベトナムは、男性優位社会ですが、家庭では女性に権限があります。女性は、家族に対する愛情が強くて家族を優先的に考えます。
ベトナムの法律
最近のベトナムの家族重視の法律の事例です。
・ベトナム社会主義共和国高齢者法(2010年施行)
「高齢者を扶養する主たる責任は、高齢者をもつ家族にある」(第5条)
「高齢者は、自分の希望により、子ども、孫と同居するか別居するかを決める権利がある」(第3条)
「高齢者を扶養するとは、衣食住、往来、健康、学習、文化、交際といった高齢者の基本的要求を保障することである」(第10条1項)
(4)ベトナムの物価
最近は、経済発展がすすんで、物価が高くなりつつありますが、ベトナムでは日本の物価に比べれば、かなり安いです。
都市部での一人暮らしであれば、1カ月5万円程度で暮らすことができます。
東南アジア諸国との比較
世界の生活費を比較するサイト「Numbeo」のデータの引用ですが、ニューヨークを100とした場合の世界各都市の物価を比較したデータがあります。これによると、ハノイは、東京の物価の38%、日本の物価の約1/3弱です。
ベトナム(ハノイ):25.42
シンガポール(シンガポール):74.46
東京(日本):67.72
バンコク(タイ):39.05
マニラ(フィリピン):36.16
プノンペン(カンボジア):33.92
ジャカルタ(インドネシア):30.48
クアラルンプール(マレーシア):28.22