ベトナム人女性と国際結婚、ウェデングドレスはアオザイが人気

ベトナムでは、ウェデングドレスは、一番多く人気があるのはアオザイになります。お店でレンタルするか、購入するか、オーダーメイドでつくるか、自分に合ったものを、それぞれ選びます。たとえ高くても、レンタルドレスであれば、5万円ほどの費用ですみます。日本のように持ち込み料金が発生することは、ほとんどありません。レンタルは高くても10万円までで、つくっても10万円程度でつくることができます。

新郎新婦の衣装

ウェディングのアオザイで最も多い色は赤色です。まっ赤というよりは、少し朱色がかった赤色が多いです。ベトナム国旗の色を連想します。赤が一番人気があります。赤色の次に多いのが、ピンク色と黄色です。これらいずれも、おめでたい色とされています。赤色は華やかさがありますし、淡いピンク色も上品な雰囲気になります。

白色のウェディングアオザイもあります。一見、レースがついているアオザイであれば、アオザイに見えずに、西洋の一般的なウエディングドレスにも見えます。繊細なレース生地のアオザイもありまが、レースがあると西洋のウエディングドレスに見えてしまいます。

ベトナムの披露宴では、来賓者の服装の制限が日本のようにはありません。日本では、新婦より目立たないことが条件で、落ち着いた色とデザインが推奨されますので、白のドレスを着ていく人は、まずいません。ところが、ベトナムでは、そのような結婚式会場での服装の制限の慣習や決まりがありません。服装は結構カジュアルでも、白い服でも赤い服でも着ても良いことになっています。ですから、新婦のドレスは、できるだけ目立つ色で、ゴージャスなほうがよいかもしれません。

基本的には、新郎新婦はベトナムの伝統衣装であるアオザイを着用します。アオザイは女性だけの衣装ではなくて、伝統的には男性向けのアオザイもあります。なお、アオザイの次には、最近ではお色直しとして、西洋風のウェディングドレスを着る人もいます。

アオザイについて

アオザイは、基本的には、正装として着用するベトナムの伝統的な民族衣装です。「アオザイ」と発音するのは、はベトナムの北部の発音であって、南部では「アオヤイ」と発音します。

アオ(Ao)は上衣を意味する発音で、ザイ(dai)はベトナム語で「長い」と意味する形容詞になります。つまり長い上着となるわけです。確かに、アオザイは、長い衣装であることに間違いありません。

女性用アオザイは世界中で有名で、ベトナムのお土産としても人気が高いですが、体にフィットするアオザイは、オーダーメイドが基本になっているので、購入には時間と手間がかかってしまいます。

アオザイの歴史

広南国(こうなんこく・1558~1777年)の第8代君主グエン・フック・コアット(在位1738~1765年)が、現在のアオザイをつくり出した人物とされています。最初は、普段着として着られているのではなく、官服として着られていたことから、現在でも正装とされています。現在の女性用アオザイの細身のデザインでスリットが入っているのは、フランス領インドシナ時代にデザインされました。

アオザイは女性のみの民族衣装と思われがちですが、男性用のアオザイもあります。今は、男性用アオザイの着用は、結婚式での新郎や伝統芸能の演者等に限られています。男性がアオザイを着てはいけないというわけではありませんが、今は、アオザイは女性用がほとんどです。

一度つくってしまったアオザイは、太ると着られなくなってしまうので、体形を保つ事が、ベトナム女性の気がかりとなっています。男性用のアオザイは、余裕を持たせた縫製で作られており、女性用に比べて、ゆったりとした感じとなっています。

ベトナム女性は、記念撮影などで写真撮影する時にアオザイを着るのを好みます。ハノイの美しい秋には、ホアンキエム湖周辺での写真撮影が多く行われます。テト(旧正月)では友人や家族を訪ねたり、寺院などにお参りに行く時にアオザイを着た女性が多く見られます。結婚式はアオザイを着るのに絶好のタイミングになります。ベトナムでは新郎新婦と結婚式の列席者は伝統的な式典できれいなアオザイを着用します。

アオザイの色ですが、色には意味があります。王朝時代、金は皇族の色で、王様が着用していました。赤いアオザイはテトの期間、幸運と繁栄のために着られていました。白は学生の制服の白いアオザイがありますが、純粋と無垢を象徴しています。黒は葬式でよく着用されます。ベトナムの女性は生まれた年の風水に基づいてアオザイの色を選ぶことがあります。

ベトナムの高等学校や大学では、純白のアオザイを女子学生の制服に採用しています。日本では、学校の制服は、どちらかというと敬遠されがちで、廃止の方向に向いていますが、ベトナムの純白無垢のアオザイは、学生の人気も高いらしいです。若い人にもアオザイは人気があります。