ベトナム人は子どもの教育に熱心!都心部と田舎では教育格差も

ベトナム女性と結婚して家庭を築いて、子供ができると教育問題はたいへん重要になります。ベトナムの教育水準については、意外と日本などの先進国と変わらないほど高いですが、ほかの先進国や日本と違う点もいろいろあります。結婚した後の教育に関して、ベトナムの現状と日本とベトナムの相違点をまとめてみたいと思います。日本のお見合いなどの伝統的な婚姻儀式の時代は、交際が始まればすぐに、子供の教育についても話題にあがっていました。今のベトナムのデート中のカップルが子供のことを話しても、教育についてまで話題になるかどうかはわかりませんが、ベトナム人は、アジアの中でもとりわけ教育熱心です。知識としてベトナムの教育について知っておいたほうがよいでしょう。

ベトナムの教育格差

ベトナムは、先進国並みに教育水準が高いとされていますが、地域の格差の問題、特に、南北の格差が問題になっています。たとえ、同じ地域で教育を受けるにしても、収入の格差が、大きく大学進学率に影響していると言われています。たしかに日本においても同じような状況がありますが、日本以上に格差があるとされています。格差問題が、ベトナムの教育の課題として認識されています。日本と違って、ベトナムは、単一民族ではないために、ベトナムの国内には少数民族もいます。民族間の格差も大きいと言われています。

具体的には、統計調査結果によれば、ベトナムは男性と女性の識字率にわずかですが、差があります。国全体の平均が男性は95.9%で、女性は91.6%であるのに対して、ディエン・ビエン州においては、男性の識字率が76.5%、同じく女性では50.6%と国全体の平均よりもかなり低くなってしまっています。識字率については、日本では、このようなことはまず、あり得ません。日本国内のどこに行っても、識字率が50%というのは、明治以降ありませんでした。

日本語の教育の問題

日本の企業のベトナムへの進出も増加しており、日本語の学習者の数や教育施設数の年々増えてきています。日本語学習者が急増しており、教員の不足や教師の能力が足りずに、様々な問題が起こって、日本語の教育の質の低下も社会問題になっています。

JICA ジャイカ海外協力隊

JICAには、日本語教育隊というのがあって、次のような活動をして、ベトナムの日本語教育を支援しています。

  • 日本語、日本文化や日本事情に関する授業をしている。
  • 現地教師の日本語の能力向上や教授の技術の向上のために協力を実施。
  • 日本の文化祭、スピーチコンテストなどのイベントの企画を実施。
  • 日本語の教材の作成や見直し、カリキュラムやシラバスの見直しの実施。

しかし、ジャイカ海外協力隊の主な配属先は中学校・高校、大学、専門学校、日系日本語学校等になります。大学では、ハノイやホーチミンの大学になっています。やはり、地方よりも大都市が中心になっているため、格差が拡大しているような状況です。

例え、日本人であっても、すぐにベトナムで、日本語教師になれるわけではなくて、日本語の教育に関する知識や技能は、420時間程度の日本語教師養成講座の修了、大学または大学院の日本語教育主専攻や副専攻などの修了、日本語教育能力検定試験合格、すなわち日本語を客観的に分析できる能力や教材不足の場合でも授業ができる柔軟性などの能力、日本文化、例えば着付け、茶道や書道などの知識や経験が必要になってきます。

ベトナムの基礎教育

2011年の数字ですが、初等教育の純就学率は、94%にもなっています。ジェンダー間の格差は小さくて、女子児童の比率は全国平均48.2%で、15歳以上の成人の識字率も92.8%と高くて、ベトナムの教師の質も高いとされています。しかし、若年層の基礎教育においても、問題としては、教育へのアクセスについて、地域間の格差があります。また、ベトナムの大きな問題として、教育の質や内容において、暗記中心の授業が多く、知識偏重が指摘されています。暗記中心の授業から考える授業へ転換することが課題となっています。それには、教育の行政能力を改善することなどがあげられています。そのこととあわせて、地域間格差の問題は、すべての教育において、大きくて、遠隔地、貧困な地域、山岳部地域における就学率の引き上げと施設や教員の質や量の改善、少数民族、障害者の就学率の引き上げが大きな課題となっています。

ベトナムの女子教育

初等教育の就学率については、男女共に 9 割以上であって、中等教育や高等教育における男女の就学率にも差はありません。しかしながら、少数民族の子供については、まだまだ、就学率が低い状況となっています。特に、少数民族の女子は、初等教育や中等教育への就学率がかなり低くて、留年や退学も多いと言われています。ベトナムの教科書の内容にしても、ジェンダー問題が指摘されています。ジェンダーに対して、中立的な内容の教科書への変更が指摘されています。