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ベトナムの食事のマナー|彼女の実家に招かれたときの振る舞い

彼女の実家に招かれることになると、挨拶そのものより食事の席が心配になります。何をどう食べればよいのか、どこで失礼になるのかが分からないためです。

本記事では、ベトナムの家庭での食事の作法を整理します。日本と共通する部分と、意識しないと外す部分を分けて説明します。

先にお伝えしておくと、ここで紹介する作法は伝統的なもので、今のベトナムで全員が厳密に守っているわけではありません。ベトナム語の紹介記事でも「今どきどれだけの人が守っているのか」という前置きが付くほどです。知っておいて損はない、という距離感で読んでください。

ベトナムの食卓は大皿を囲む形式

ベトナムの家庭の食事は、大皿の料理を食卓の中央に並べ、各自が自分の茶碗に取り分けて食べる形式です。

日本の定食のように一人分が揃って出てくるわけではありません。

一人ずつの取り皿は少ない

各自の前にあるのはご飯茶碗と箸で、日本のような小皿が人数分並ぶとは限りません。中央の大皿から、自分の茶碗にご飯とおかずを取って食べます。

スープも大きな器で共有し、各自がよそって飲む形が一般的です。

客には家族がよそってくれる

客として招かれた場合、彼女の母親や姉妹が、次々と料理を取り分けてくれることがあります。もてなしの表れなので、断り続ける必要はありません。

一方で、食べきれない量を出されることもあります。無理に全部食べようとせず、感謝を伝えたうえで残す判断も必要です。

座る場所は勧められてから

席の配置には家族内の序列が表れます。案内される前に自分で座ってしまうと、その形が崩れます。

勧められた席に座る、という一点を守るだけで印象が変わります。

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最初に押さえる3つ

作法を全部覚える必要はありません。年長者を待つ、箸を立てない、勧められた席に座る。この3つで大きく外すことはなくなります。

数が多いと当日に思い出せません。まずここだけ意識してください。

年長者より先に食べ始めない

ベトナムの食事の作法で最も重視されるのが、年齢と立場の順番です。年長者が食べ始める前に手をつけないのが基本とされています。

客の立場であれば、家の主人か年長者が始めるのを待ちます。周りが動くまで箸を持たずにいれば、それだけで作法に沿った振る舞いになります。

ご飯に箸を突き立てない

茶碗のご飯に箸を垂直に立てるのは避けられます。線香を連想させるためで、日本と同じ理由です。

日本人にとってはなじみのある禁忌なので、意識せずとも守れる部分です。

席は勧められてから座る

前述のとおり、案内を待つのが基本です。到着してすぐ椅子に座らず、彼女や家族の動きを見てから動いてください。

家族への挨拶全般の作法はベトナム人女性の親・家族への挨拶マナーにまとめています。

日本と共通する作法

箸に関する禁忌の多くは、日本とベトナムで共通しています。

同じ漢字文化圏であることが背景にあります。

作法日本ベトナム
ご飯に箸を立てない共通共通
箸や器を叩かない共通共通
箸を噛んだり舐めたりしない共通共通
使わないときは箸を置く共通共通
同じ料理ばかり取り続けない共通共通

このあたりは、日本での常識をそのまま持ち込んで問題ありません。身構えるより、日本の食卓で失礼にあたることは避ける、という基準で十分です。

意識しないと外す作法

取り分け方と器の扱いは、日本の感覚とずれる部分があります。

知らないと自然にやってしまう動作です。

人に取り分けるときは箸を持ち替える

他の人の器に料理を取ってあげるとき、箸の上下を持ち替えて、口をつけていない側を使う作法があります。日本の逆さ箸と同じ考え方です。

日本では賛否のある作法ですが、ベトナムでは丁寧な振る舞いとして紹介されています。取り分ける機会があれば意識してみてください。

大皿から直接口に運ばない

大皿から取った料理は、いったん自分の茶碗に置いてから食べるのが作法とされています。取ってそのまま口へ運ぶのは避けられます。

大きな器は持ち上げて啜らない

日本では汁椀を持ち上げて飲むのが普通ですが、ベトナムでは器の大きさで扱いが変わります。

小さな椀であれば両手で持って口をつけてかまいません。一方、大きく深い器は持ち上げず、スプーンですくって食べるのが基本です。残り少なくなったら器を傾けてすくうことはあっても、持ち上げて啜ることはしません。

つけダレの器に箸先を入れない

共用のつけダレに、自分の箸を突っ込むのは避けられます。取り分け用のスプーンがあればそれを使い、自分の小皿に取ってから使ってください。

スープをよそうときは年長者に先に

自分の分をよそう前に、年長者に勧める形が丁寧とされています。よそったあと、スプーンは伏せて置くという作法もあります。

残していいのか、食べ切るべきか

自分の茶碗によそったものは食べ切り、大皿に残った分は無理に食べ切らないのが基本です。

「残す」で検索されるのは、ここが分かりにくいためです。

自分の器のものは食べ切る

自分で取った、あるいは取り分けてもらった分は食べ切るのが作法とされています。取りすぎないことが前提になります。

断りにくいからと大量に受け取ると、後で困るのは自分です。最初の段階で「少しで大丈夫です」と伝えるほうが結果的に丁寧になります。

大皿は残ってかまわない

中央の大皿は共有のものなので、食べ切らなければ失礼ということはありません。むしろ多めに作るのが普通です。

食べられない場合は理由を添える

体調や好みで食べられないものがある場合、黙って残すより、彼女を通じて理由を伝えてもらうほうが角が立ちません。

食べ物の好みが分からない場合は、事前に彼女に確認しておくと安心です。ベトナムでよく食べられている料理はベトナムの有名な食べ物15選にまとめています。

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酒をすすめられたとき

宴席では乾杯が繰り返されますが、飲めない場合は笑顔で断って問題ありません。

無理に付き合うことが礼儀とはされていません。

乾杯の回数は多い

食事の席では「Một, hai, ba, dzô!(モッ、ハイ、バー、ヨー)」の掛け声で、何度も乾杯します。テーブルごとに繰り返されることもあります。

断り方

飲めないことを先に伝えておくのが最も確実です。彼女から家族に説明してもらえば、無理強いされることはほとんどありません。

初対面の場で酔って失敗すると、その印象は長く残ります。飲める方でも、実家での最初の食事は控えめにしておくほうが安全です。

年長者への注ぎ方

酒を注ぐときは、年長者から順に注ぐのが丁寧とされています。自分の分を先に注がないという点は、日本と共通する感覚です。

仲人として見てきた、つまずきやすい場面

失敗の多くは作法を知らないことではなく、緊張して黙り込んでしまうことに原因があります。

食卓で求められているのは、正確さより態度です。

黙って食べ続けてしまう

言葉が通じないため、下を向いて食べることに集中してしまう方がいます。家族から見ると、楽しんでいないように映ります。

味の感想を一言、彼女に訳してもらうだけで空気が変わります。「おいしい」と伝えられれば十分です。

手伝おうとして固まる

配膳や片付けを手伝おうとして、かえって邪魔になる場面もあります。動くかどうか迷ったら、彼女に聞いてから動いてください。

完璧にやろうとする

作法を暗記して臨み、一つひとつ確認しながら食べる方がいます。硬い印象になり、場が和みません。

年長者を待つことと箸を立てないことさえ守れば、あとは自然に食べて問題ありません。ベトナム語で一言お礼を言えるようにしておくほうが、はるかに効果があります。呼び方や言い回しはベトナム語の呼び方にまとめています。

よくある質問(FAQ)

食事は残してもよいですか?

自分の器によそったものは食べ切るのが基本です。中央の大皿は共有のものなので、残ってかまいません。

先に食べ始めてもよいですか?

年長者や家の主人が食べ始めるのを待つのが基本とされています。

汁物の器は持ち上げてよいですか?

小さな椀であれば両手で持って口をつけてかまいません。大きく深い器は持ち上げず、スプーンを使います。

取り分けるときに気をつけることはありますか?

人の器に取ってあげるときは、箸の上下を持ち替えて口をつけていない側を使う作法があります。

お酒は断ってもよいですか?

飲めない場合は断って問題ありません。先に彼女から家族へ伝えておくと角が立ちません。

作法をすべて覚える必要がありますか?

必要ありません。年長者を待つ、箸を立てない、勧められた席に座る。この3つで十分です。

まとめ

ベトナムの家庭の食事は、大皿を囲んで各自が取り分ける形式です。客として招かれたら、勧められた席に座り、年長者が食べ始めるのを待ってください。

箸に関する禁忌の多くは日本と共通しています。一方で、人に取り分けるときに箸を持ち替える、大きく深い器は持ち上げて啜らない、といった点は意識が必要です。

残し方については、自分の器によそった分は食べ切り、中央の大皿は残ってかまわないと考えてください。取りすぎないことが前提になります。

本記事の作法は伝統的なもので、今のベトナムで全員が厳密に守っているわけではありません。正確さより、楽しんでいる態度が伝わるほうが大切です。

家族への挨拶全般はベトナム人女性の親・家族への挨拶マナー、テトの帰省はベトナムのテトに彼女の実家へにまとめています。

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参考

(本記事は2026年8月時点の情報にもとづきます。出典は文化紹介記事であり公的資料ではありません。作法には地域差・世代差・家庭差があります)

Supervisor

この記事の監修者

安仲 圭大アオザイブライダル代表

2021年よりベトナム・ホーチミン在住。現地で貿易を行う商社と不動産販売会社を経営し、ベトナム人仲人と日本人仲人の2名体制で、日本人男性とベトナム人女性の国際結婚をサポートしている。

執筆協力:Pham Thi Thanh Anシニアカウンセラー

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