ベトナム人女性と国際結婚、ベトナム人のお金に対する考え方

ベトナム人の平均年収

ベトナム人の2019年の国内平均年収は、日本円で約41万円程度です。月収に換算すると約3万4千円の収入ですので、日本に比べるとかなり低くなります。ハノイやホーチミンなどの大都市でも日本に比べると、かなり低くなります。

貯蓄は家族のために

ハノイなどベトナムの北部では貯蓄をする習慣があることはあります。貯蓄の目的は、子供の進学や家の建築の費用、家の購入資金や結婚のためのブライダル費用などで、目的がはっきりした預金が多く、漠然と将来の不安に対する備えではありません。一方で、ホーチミンなど南部の多くの地域では、給与が入ったら、使ってしまう傾向があります。あまり、貯金をしません。

日本が、世界的に見ても、異常に貯金率の高い国なので、日本と比較してしまうと、どうしても、ベトナムは、貯蓄の意識が低いということになりますが、ベトナムは、経済成長を続けているので、今日より明日、今年より来年は収入がよくなっているという思いから、預金への備えは、積極的でないという側面はあると思います。

日本は、昭和の高度成長期のあとは、経済成長もほとんどしていなくて、デフレの状態が長く続いていますし、少子化と高年齢化で、将来、日本が再び経済成長がある様子もないことから、高齢者を中心に、消費するより預金する傾向が強くなっています。

ベトナムは、日本と同じように、男性が優位な社会ですが、家庭の中では女性が力を持っています。ベトナムの女性は、家族愛がとても強くて、家族に対する愛情が強いので、何事につけても、家族を優先的に考えています。ベトナム女性は、男性よりもお金に対する考え方はきびしくて、無駄遣いをすることは少ないのですが、こと子供の健康につながるようなことなど、家族のためであれば、思い切ってお金を使うという考え方を持っている人が多くいます。このような、考え方は、ずっと日本にも根強くいますが、日本のほうが将来に対する漠然とした不安から預金をしているという調査結果もあります。

また、ベトナムでは、お金は家族の共有財産という意識が高く、日本のように、だれだれの貯金だという意識は少ないようです。家族意識がかなり強いようです。男女とも、お金は家族の共有の財産であると認識しています。個人の所有意識はあまり、ないと言えます。

給料日

ベトナムにも貯金する人もいますが、ほとんど使ってしまう人のほうが多いです。たいはんの人は、給料日から1週間程のあいだに、家族などといっしょにショッピングモールなどに出かけて、買い物や食事を楽んで使ってしまいます。日本では、給料は、もらったらその月の内に使ってしまうというのは、あまりない習慣かもしれませんが、世界の中では、このようなお金の使い方は、めずらくないと思います。

ベトナムの旧正月「テト」

ベトナムの休日の中で一番長くて有名なのが旧正月にあたるテトです。テトの期間中のあいだは、親類、親せきが集まって、家などで宴会をしたり、いろいろ消費、ショッピングなどを楽しみます。

テト前になると、ベトナム人は家族といっしょに買い物に出かけて、テトに備えて、大量の食材、調味料、お茶、お酒、お菓子、その他日常品や家などにくる親戚、友人に渡すおみあげなどを買い込みます。

また、テトで、帰省する人が多いので、手土産を買うのもこの時期になります。ベトナムで貯金と言えば、このテトの資金のお金を貯めるために預金することが多いとされています。

多くのベトナム人は、必要以上に預金をしない傾向があります。たしかに所得が少ないということもありますが、将来のために必要以上に、過度な預金をしないで、家族や自分の楽しみのためにお金を使うようにしています。

住宅の購入資金

ベトナム人にとっては、家を持つことが、大きな夢、目的で、家を持つことが一人前の人間だと考えています。預金は、住宅購入のために頭金を貯めることが多く、家の購入の残りの資金は親戚や親族から借入するかたちで、家を購入するケースが多いです。最近では、家の購入資金として、銀行からの借入することも増えてきましたが、親族からの借入が多いのが現状です。

また、購入する家のタイプでは、一軒家の人気が一番高くて、マンションタイプは住居用ではなくて、投資用として購入する人が多いです。ベトナムでは共産主義国家なので、土地は国の所有物であるので、土地は、土地の使用権が権利として認められています。ベトナム人、ベトナム企業の場合であれば、永久使用権があります。

このようにベトナム人の貯蓄としては、銀行に預けるベトナム人は少なくて、資産家は現金を不動産や金(ゴールド)などに変えて運用する傾向が多くなります。ただし、直近のベトナムの総貯蓄率では、2021年に34.3%をとなりました。前期の2020年の25.4%と比べると、かなりの比率で増えています。理由はわかりませんが、貯蓄率は、長い間、低い水準で推移していましたが、2020年と2021年の間に関しては、大きな増加がみられました。一時的な傾向かもわかりませんが、ベト率ナムの日常生活も変わりつつあるのかもしれません。 ただし、ベトナムの経済成長は、今後も続いていくと考えられています。経済成長が続いているあいだは、それほど預金率が上昇することはないと思われます。

ベトナムへの投資

ベトナムにおいては、定期預金の年利である金利は、6~8%位あります。日本貿易振興機構ジェトロによれと、消費者物価上昇率は、3%前後で推移しているために、インフレ率を考慮に入れても、日本で運用するより、リターンはあるとされています。

ベトナムの銀行の口座開設は、観光者や出張者でもできていましたが、2019年より国家銀行の通達によって、12か月のベトナムへの居住資格がある人しか開設できないようになっています。ベトナムでは、資金を国内だけでなく海外から集めたいという思惑があるので金利を高く設定して、融資国にもメリットがあるように金利を設定しています。