国際結婚の両家顔合わせ|言葉が通じない食事会の進め方と準備
結婚が決まり、次はいよいよ両家の顔合わせ。しかし国際結婚の場合、「親同士の言葉が通じない」「そもそもどこで開くのか」という、日本人同士にはない悩みが立ちはだかります。
本記事では、国際結婚の両家顔合わせを、開催場所の選び方から通訳の手配、当日の進行、話題選びまで実務目線で整理しました。
ホーチミン現地に常駐する日越2名体制の仲人の実務目線から、「しない・できない場合」の現実的な選択肢にも正直にお答えします。
結論|顔合わせの成否は「形式」より「通じ合える設計」で決まる
国際結婚の顔合わせは、開催場所・通訳・進行の3つを先に設計すれば、言葉が通じない両家でも心の通う会にできます。先に全体像をお伝えします。準備すべきは、この3つだけです。
- 場所:日本・相手の国・オンラインの3パターンから、両家の事情に合う形を選ぶ
- 通訳:「誰が言葉の橋渡しをするか」を決めておく。当日いちばん大切な役割です
- 進行:日本式の堅い式次第にこだわらず、写真や食事など言葉に頼らない時間を組み込む
逆に言うと、顔合わせの席そのものに、結納のような堅い形式や完璧な語学力は必要ありません。「相手の家族を大切に思っている」ことが伝わる設計になっていれば、顔合わせは成功します。
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開催場所は3パターン|日本・相手国・オンラインの比較
顔合わせの開催は「日本」「相手の国」「オンライン」の3パターンがあり、両親の渡航のしやすさと費用で選ぶのが現実的です。日本人同士なら「両家の中間地点のレストラン」が定番ですが、国際結婚では最初に「どの国で開くか」から決めます。
| パターン | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 日本で開催 | お相手が在日、または来日予定がある | ご家族の渡航費・ビザ手配の負担を話し合っておく |
| 相手の国で開催 | ご家族の来日が難しい/結婚式も現地で挙げる | 自分の親の渡航負担。現地の習慣に合わせる柔軟さが必要 |
| オンライン | 渡航がすぐに難しい/まず早く紹介したい | 通訳を交えた進行の設計が対面以上に重要 |
どれかひとつに絞る必要はありません。実際には「まずオンラインで紹介→入籍前後にどちらかの国で対面」という2段構えのご夫婦が多くいます。
大切なのは、両家それぞれの渡航負担・健康状態・仕事の事情を正直に出し合って決めることです。どの形式を選んでも、失礼にはあたりません。
言葉の壁は「通訳の設計」で越える
親同士の言葉が通じない問題は、プロ通訳・本人通訳・相談所サポートのいずれかを事前に決めておけば解決できます。顔合わせ最大の不安が、親同士の会話です。選択肢は3つあります。
- プロの通訳を手配する:正確さは最高です。ただし費用がかかり、家族の場に他人が入る緊張感もあります
- 本人たちが通訳する:最も自然でよくある形です。ただし二人とも「話す側」と「訳す側」を兼ねるため、会話のテンポはゆっくりになります
- 相談所・仲人のサポートを使う:相談所経由の結婚なら、両家の事情を知る仲人が同席して橋渡しできる場合があります
どの形でも、次の2つの工夫で会話の負担がぐっと減ります。
- 翻訳アプリを卓上に用意する:話が細部に入ったときの補助になります。事前に双方の親へ「アプリも使いながら話しましょう」と伝えておくと、当日の心理的ハードルが下がります
- 通訳する人の席を真ん中にする:訳す人が端の席だと、声が届かず会話が分断されます。両家の親の間に座るのが基本です
完璧な同時通訳を目指す必要はありません。「ゆっくり、確実に伝わる」ことを優先してください。
当日の進め方|言葉が通じない前提の進行例
当日は「挨拶→乾杯→食事と歓談→記念撮影→締めの挨拶」の流れを基本に、言葉に頼らない時間を多めに組むのがコツです。進行例を表にまとめました。所要は2時間前後が目安です。
| 時間 | 内容 | 言葉の壁への工夫 |
|---|---|---|
| 開始 | 出迎え・席への案内 | 笑顔とお辞儀・握手。第一印象に言葉は不要 |
| 〜15分 | はじまりの挨拶・家族紹介 | 挨拶文は事前に翻訳して用意。一言ずつ区切って訳す |
| 〜30分 | 乾杯 | 乾杯の言葉は双方の言語で。それだけで場が和みます |
| 〜90分 | 食事・歓談 | 写真(家族・故郷・二人の思い出)を持参して見せながら話す |
| 〜110分 | 記念撮影 | 全員での写真は「家族になった」実感を残します |
| 終了 | 締めの挨拶・見送り | 感謝の言葉を相手の言語で一言。事前練習で十分です |
ポイントは、言葉に頼らないコンテンツを意図的に入れることです。故郷の写真、二人の交際中の写真、家族のアルバム。指をさしながら見られるものがあると、通訳を介さなくても笑顔が生まれます。
堅い進行にする必要はありません。「食事会」と捉えて、両家がリラックスできることを最優先してください。
盛り上がる話題と避けたい話題
話題は「食べ物・故郷・二人の子ども時代」など翻訳しやすいものを選び、政治・宗教・お金の話は最初の顔合わせでは避けるのが無難です。通訳を介する会話は、話題選びで質が大きく変わります。
盛り上がりやすい話題
- 食べ物:お互いの国の料理の話は、その場の食事とつながる万能の話題です
- 故郷・育った場所:写真を見せ合えるので、言葉が少なくても伝わります
- 二人の子ども時代:「小さい頃はどんな子でしたか」は、どちらの親も話したくなる質問です
- 相手の国の良かったところ:訪問経験があれば、具体的な感想は喜ばれます
最初の顔合わせでは避けたい話題
- 政治・歴史・宗教:国と国の話題は、悪気なく地雷を踏む可能性があります
- お金の細部:結納金や結婚式の費用は大切な議題ですが、初対面の場で詰めると空気が硬くなります。後日、本人たちを通じて調整するほうがスムーズです
- 早すぎる孫の話:文化を問わず、プレッシャーになる場合があります
冗談やことわざは翻訳で意味が抜け落ちやすいので、シンプルな言葉を選ぶことも意識してみてください。
服装・手土産・費用分担の考え方
服装・手土産・費用に「万国共通の正解」はなく、事前に両家の認識を本人たちがすり合わせておくことがマナーの本体です。形式面の疑問は、この3つに集中します。
- 服装:レストランならジャケット程度のセミフォーマルが無難です。大切なのは「両家で格を揃える」こと。片方だけスーツ、片方だけ普段着にならないよう、事前に写真付きで共有しましょう
- 手土産:日本側は地元の菓子折りなどが定番です。相手の国に手土産文化がない場合もありますが、相手の文化に贈り物のタブーがないかお相手本人に確認したうえで選べば、気持ちの品が悪い印象になることはまずありません。値段より、故郷にちなんだ品が話題も生みます
- 費用分担:日本人同士では両家折半か新郎側負担が多いですが、国によって感覚が異なります。当日に精算でもめないよう、本人たちが事前に決めて両親へ伝えておくのが鉄則です
いずれも「どちらの国の流儀に合わせるか」で悩みがちですが、答えはひとつです。両家が事前に合意していれば、どんな形でも正解になります。
顔合わせをしない・できない場合の現実解
国際結婚では距離や費用の事情で対面の顔合わせをしない夫婦も珍しくなく、オンライン紹介や入籍後の対面など柔軟な代替が可能です。「国際結婚で顔合わせをしないのはあり?」という検索が多くあります。正直にお答えすると、対面の顔合わせをせずに入籍するご夫婦は珍しくありません。
理由は明確で、渡航費・ビザ・仕事の休みという物理的なハードルがあるからです。形だけの対面にこだわって結婚が延び延びになるより、次のような代替が現実的です。
- オンライン顔合わせ:ビデオ通話で両家をつなぎます。通訳を挟みやすく、費用ゼロで何度でもできるのが利点です
- 段階方式:先に本人が相手のご家族へ挨拶→入籍→来日後や結婚式のタイミングで両家対面
- 写真と手紙:通話も難しい場合、翻訳した手紙と家族写真の交換だけでも、誠意は十分伝わります
大切なのは「両家の親がお互いの存在を認識し、結婚を祝福している」状態を作ることで、その手段は対面に限りません。
ただし、ご自身の親が国際結婚に不安を持っている場合は、順序に注意が必要です。先に親の不安を解いておかないと、顔合わせ自体が組めません。その進め方は国際結婚を親に反対されたときの向き合い方で詳しく解説しています。
ベトナム人女性との顔合わせの場合
ベトナム人女性との顔合わせでは、先に彼女の実家への挨拶が入ることが多く、結納・結婚式の段取りと合わせて設計すると迷いません。ここからは、当相談所の専門であるベトナムの場合を例に、実際の流れをお見せします。
ベトナムでは、結婚の話が進むと、まず男性が彼女の実家を訪問して挨拶する段階が入ることが多くあります。訪問時のマナーや手土産はベトナム人彼女の家族への挨拶にまとめています。
その後の両家顔合わせは、「彼女のご家族の来日が難しい」事情から、オンラインで先に紹介し、ベトナムでの結婚式で対面する流れを選ぶご夫婦が多く見られます。ベトナムでは結婚式と結納の儀式を同時期にまとめて行う家庭も多いため、費用感はベトナムの結納金の相場と内訳が参考になります。
当相談所の場合、日本人仲人とベトナム人仲人が両家の間に入り、顔合わせの通訳から両家のやり取りの調整まで橋渡しします。「両親にどう説明して、いつ引き合わせるか」という段取りは、交際中から一緒に設計できます。
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よくある質問(FAQ)
顔合わせの質問は「しなくてもよいか」「通訳の要否」「費用の分担」「オンラインの失礼」の4つに集中します。顔合わせをしなくても結婚できますか?
できます。顔合わせは法的な要件ではないため、しなくても婚姻手続きに影響はありません。ただし両家の祝福は結婚生活の土台になるので、オンラインや手紙など、何らかの形で家族同士をつなぐことをおすすめします。
通訳は必ず必要ですか?
いいえ、プロの通訳が必須というわけではありません。親同士が共通言語を持たない場合も、本人たちが交互に訳す形で十分成立します。翻訳アプリを補助に使うと、負担がさらに減ります。
費用はどちらが払うべきですか?
決まったルールはありません。開催国側が会場を持ち、渡航側の負担とバランスを取るなど、両家の事情で柔軟に決めるのが実情です。当日のトラブルを避けるため、本人たちが事前に決めて双方の親へ伝えておいてください。
オンラインの顔合わせは失礼になりませんか?
なりません。国際結婚では距離の事情を双方の家族が理解していることが多く、「まず早く顔を見せてくれた」と歓迎されることも多くあります。画面越しでも、挨拶の言葉を相手の言語で用意する丁寧さがあれば、誠意は伝わります。
まとめ|両家をつなぐのは語学力ではなく段取り
国際結婚の顔合わせは、場所・通訳・進行の3つを事前に設計し、言葉に頼らない時間を組み込めば、言葉が通じない両家でも心の通う会にできます。最後に要点を整理します。
- 開催は日本・相手国・オンラインの3パターン。2段構えの併用も現実的
- 言葉の壁は「誰が訳すか」を決めておけば越えられる。完璧な通訳は不要
- 当日は写真や食事など、言葉に頼らないコンテンツを多めに
- 話題は食べ物・故郷・子ども時代。政治・宗教・お金の細部は避ける
- 服装・手土産・費用は「両家の事前合意」がすべての正解
- 対面が難しければ、オンラインや段階方式で十分に誠意は伝わる
顔合わせは、二人の結婚が「家族と家族のつながり」になる最初の一歩です。形式に縛られず、両家が笑顔になれる設計を選んでください。
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この記事の監修者
安仲 圭大(アオザイブライダル代表)
2021年よりベトナム・ホーチミン在住。現地で貿易を行う商社と不動産販売会社を経営し、ベトナム人仲人と日本人仲人の2名体制で、日本人男性とベトナム人女性の国際結婚をサポートしている。
執筆協力:Pham Thi Thanh An(シニアカウンセラー)
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