ベトナム人は家族や親せきと同居が多い?ベトナム人の国民性と家族観

ベトナム人の家族

2014年における日本国際教養学会のハノイで実施された調査においては、ベトナムで、60歳以上の高齢者が、彼らの子供と同居している割合は、62.6%でした。日本よりは、かなり高い数字となっています。

ベトナムでは、結婚していても、母親や父親などの両親といっしょに暮らす世帯の割合が日本より多くなっています。要するに、親子2世代、3世代の家庭が多いということです。

ベトナムの地方に行くと、家族の親戚や親族と暮らす夫婦もかなりいます。ベトナム人女性が、国際結婚をして、日本で暮らすようになれば、かなり環境が変わってしまう可能性があります。日本では、核家族が基本で、親子何世代にも渡って、いっしょに暮らすということは、今では少なくなっていますし、年々減少しています。

このようにベトナムでは、家族の絆というのは、とても重要です。ベトナム人は、情に厚くて、家族を大切にするとよく言われています。家庭を犠牲にしてまで、会社の仕事をすることは意味がないと考える人が多いということをよく聞きます。家族を最優先に考えています。そのことは、ベトナム女性は、家族的であるということにもなります。

今は、ベトナムは、日本の歴史で言えば、ちょうど昭和初期から中期にかけても高度経済成長期にあたります。ただし、不思議なことに、当時の日本であれば、家族より会社を優先と日本の男性はしていましたが、ベトナムでは、その逆になっています。ベトナムは、年々、かなりの経済成長を遂げていますが、核家族化は、日本ほど進んでいません。ですから、家族の概念が親戚にまで広がること多いのです。6親等くらいまでの家族の誰かが来れば、歓迎して、仕事を休んででも、買い物につきあってみたり、ことあるごとに親類回りをしたりするのは、ごく当然と考えられています。

ベトナム国民の約70%の人が農村に住んでいて、約60%の人が農業に従事しています。様々な統計調査によれば、ベトナムにおいても核家族化は、進展していますが、令和の日本ほどでもありません。ベトナムの大都市のハノイやホーチミンでは、核家族は、多くなっていますが、地方に行けば、まだまだ、大家族がいっぱいあります。

たとえば、結婚相談所で、ある婚活の活動中であった日本人男性が、お見合いをして、デートの時に、いろいろな話を聞くと、相手の女性から自分の親戚や家族、友人の話が多くて、ちょうど、日本の昭和の時代のような印象だったと言っていました。日本から、ベトナム観光で、たとえば、ハロン湾や都会のハノイやホーチミンに行っても、アオザイを着ている人は少なくなっていますが、文化としては、特に地方において、日本に比べれば、大家族制度がいまだに残っています。

ベトナム人の国民性を表す4つのK(4K)

ベトナムの国民性のイメージとして、あくまで、単なるイメージですが、一般的に「器用」で「向学心旺盛」、さらに「近視眼」、「カカア天下」の4つの頭文字をとった「4K」を言われることがあります。

  • 器用

アジア人は概して、その傾向がありますが、ベトナム人は手先が器用な人が多いと言われています。ベトナムは、縫製業、繊維関係の仕事が得意ということからも、理解できます。ベトナムでは、繊維産業が盛んで、縫製業や繊維産業は、輸出の大きなアイテムになっています。

  • 勤勉

ベトナム人は、向学心が旺盛で、さらに真面目で勤勉だと言われています。このことも一般的に、アジア人に共通しています。

  • 近視眼

眼が近視ということではありません。ベトナム人の金銭感覚と言い表しています。ベトナム人はこれからの先のことを考えるよりも、今のことを最優先にする性格の人が多いということです。これは、南国気質に関係があるのかもしれません。

  • カカア天下

1955年~1975年の20年にわたって、長く続いたベトナム戦争の最中、基本的に家族を守っていたのは女性でありました。多くの男性は、戦争に行っていましたので、ベトナム女性が一家を支えていました。ベトナムでは、仕事においては、男女での給与や昇級の格差がほとんどなく、ベトナムの社会においては、女性が管理職としてたくさん活躍しています。このような状況から、カカア天下と言われたりしています。ベトナムでは、女性が主導権を握っていることが多くあります。

「しゅうとめ(姑)」と「しゅうと(舅)」

しゅうとめ(姑)とは、配偶者の母親のことを指します。一方で、しゅうと(舅)とは、配偶者の父親のことを指します。昔からの習慣として、ベトナムの家庭では、嫁より夫の親族が優先される傾向にあります。今では、都市部を中心にして、この傾向は、少なくなっていますが、文化としては、今でも残っています。

ベトナムでは、しゅうとめ(姑)が、権威を持っているとも言われています。しゅうとめ(姑)が言うことが正しいことだというような感じになって、嫁の立場は苦しくなってしまうことあります。このことは、何もベトナムだけに限ったことではなくて、日本においても、世界中でも言われていることなので、あまり強調しすぎるべきではないと思いますが、万国共通で、家族の永遠のテーマである「嫁姑問題」は、ベトナムにも存在します。

妻側の家族と円満に関係を持つ最前の方法としては、このような文化的背景があることをしっかり認識して、意思疎通、コミュニケーションを十分とることだと思います。物理的、距離的な問題で、たとえ、あまり会えなくても、ネットなどを経由して、話しすることもできますし、たとえば、観光をかねて、時々行くのもよいでしょう。