母国へ仕送り
外国人女性と結婚するとベトナム人女性の場合、仕送りとして、母国の両親などに送ることがあります。実態は、多くの日本のベトナム女性の場合、女性が日本で働いた給料の中からベトナムへの仕送り費用とするケースが多いのが実態です。
ベトナムの両親が仕事を持っていて、仕送りしないケースも多くあります。
仕送りの背景
母国の両親が元気に働いている場合、毎月の仕送りはしていないことが多いようです。日本と比べて、ベトナムにおいて、ベトナム人は一般的に会社勤めのサラリーマンが少なく、ほとんどの人が自営業を営んでいます。自営業ですから、定年がないため、高齢の両親も働いている人が多くなっています。親が働いているなら、仕送りは不要になるケースも多くあります。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の2017年の調査結果によりますと労働力人口は2015年で約5400万人となり、労働力人口は一貫して増加していますが、最近は、女性や農村部での増加の割合が鈍化する傾向が見られるとのこと。
その一方で、年齢階層別では50歳未満の階層で比率低下の傾向にありますが、50歳以上の労働者人口では増加傾向にあると分析しています。ベトナムは、社会主義の国で、社会保障も充実していて、年金もありますが、実態としては、ベトナムも日本の年金のような制度はあるのですが、ビジネスや仕事に追われて、国籍があっても、手続き登録をせずに加入している人はほとんどいません。
ベトナムでは年金に加入している人が少ないから、仕送りする習慣が今でもあると言えます。そのため、年老いた両親の生活費が足りず、毎月の子供達や家族からの仕送りに頼ることになります。ベトナムの実家への仕送り金額は、月に2万円~5万円が妥当だとされています。婚活パーティー(見合いや出会いの合コン)などをしている結婚相談所でヒアリングしても同じような金額になっています。
仕送りの今後について
ベトナムの就業状況
同じく独立行政法人労働政策研究・研修機構の2017年の調査結果によりますと、就業者数の増加傾向は続いていて、2015年は約5284万人になっています。構成比率では、地域別では農村部が約7割を占めます。国営部門で働く就業者割合(約10%)はわずかに増えていますが、外資系勤務(約4%)においては増加傾向にあります。雇用形態では、1人事業主と賃金労働者がそれぞれ全体の約4割を占めますが、賃金労働者は増加傾向になっています。産業別では農林水産業が全体の約44%ですが、最近は減少傾向にあります。工業・建設業(22.8%)やサービス業(33.2%)は増加傾向となっています。
GDP(国内総生産)
ベトナム経済のGDP(国内総生産)は近年、増加傾向にあって、1988年以降は常に5%以上の成長率が続いています。1人当たりGDPも堅調に増加しており、2014年には2000ドルを超える水準となっています。2008~2011年には、高いインフレ率や貿易収支悪化など、経済の混乱がありましたが、2012年以降は安定成長を継続しています。
仕送りの今後
「ベトナムの就業状況」のとおり、就業者数は増加して工業・建設業(22.8%)やサービス業(33.2%)が増加、農業や商業などの個人経営から賃金労働者への転換傾向が「GDP」からわかります。こられの2点からベトナムは、経済状況として、先進国に近づくと考えられ、仕送りの慣行も減少していくのではないかと思われます。
ベトナムの年金
ミャンマーなどでは、年金制度がなくて、年老いた親への仕送りをほとんどの人がしているらしいですが、社会主義国のベトナムでは、社会保障も充実しており、年金もありますが、今現在の現状では、ベトナムの人は、加入している人は少ないです。ベトナムでは年金に加入している人が少ないから、仕送りが必要になるということになります。年老いた両親の生活費が足りず、子供達からの仕送りに頼ることになります。しかし、今後、経済発展が、今の調子で順調にすすんでいくのであれば、将来的には、仕送りを送らなくても母国の両親が暮らせていけるようになると考えられます。
フィリピンの場合
明るく、楽天的で男性には献身的なフィリピン人は、ベトナム人と同じように家族を大切にします。フィリピンでは家族で助け合って生活します。年長者を敬う気持ちが強くて弱者にも優しい国です。フィリピン人は、家族への愛情が深いのが特徴です。
フィリピン人女性は働き者が多いので、一家の大黒柱が女性の場合も多くあります。仕送り金額が多いとも言われています。フィリピンは所得が低い割に仕送り金額が比較的多くなる傾向があります。経済的に成功したら他の人を助ける習慣があり、配偶者以外も金銭的援助をする必要が出てきます。
このようにアジアの中でも国によって仕送りの状況や今後の動向は違ってきます。