――結婚の「コスパ」を徹底シミュレーション
「結婚したいけれど、お金が不安で踏み出せない」
そんな声は、日本人同士の結婚でも国際結婚でもよく聞きます。
ただ、同じ“結婚”でも、お金のかかり方・負担の仕方は国によってまったく違うのをご存じでしょうか?
とくに、日本人男性×ベトナム人女性の国際結婚では、
- 結婚式はベトナム現地で行う
- 新郎側(日本人男性)は式の費用は基本負担しない
- その代わり、金の三点セット+現金など約100万円の結納金を渡す
というケースが一般的です。
この記事では、以下の2パターンを前提に、
男性目線で「トータルいくら違うのか?」を数字で解説します。
- 日本人同士の結婚(結婚相談所利用+日本で挙式)
- ベトナム人女性との国際結婚(ベトナム現地で挙式/男性は式費用負担なし+結納金100万円)
1.比較の前提条件をそろえる
まず、公平に比較するため、次の条件をそろえます。
共通の前提
- 出会いは結婚相談所を利用
- 双方とも30代前後の一般的な社会人を想定
- 「それなりの規模の式」は行う(家族・親族+友人を招待)
日本人同士の結婚(パターンA)
- 日本の結婚相談所を利用
- 日本国内のホテル・ゲストハウスで披露宴付きの挙式
- 結婚式の総額は300万円前後
- 夫婦で費用を出し合い、男性がやや多めに負担する想定
ベトナム人女性との国際結婚(パターンB)
- ベトナム人女性に特化した国際結婚相談所を利用
- 結婚式はベトナム現地のレストランや式場で実施
- ベトナム側の家族が式を主催・費用負担
- 日本人男性は式の費用を払わない代わりに、
金の三点セット(24Kのネックレス・ブレスレット・指輪など)+現金の結納金=約100万円を用意
この条件で、日本人男性の「実際の持ち出し額」を比べていきます。
2.日本人同士の結婚にかかる費用(パターンA)
2-1. 結婚相談所の費用
一般的なデータをもとにしたモデルケースです。
- 入会金・登録料:20万円
- 月会費:1.5万円 × 12か月 = 18万円
- お見合い料:5,000円 × 10回 = 5万円
- 成婚料:35万円
相談所トータル:およそ78万円
2-2. 結婚式・披露宴の費用
- 式場・披露宴の総額:300万円
- ご祝儀で戻ってくる分を差し引いても、
新郎新婦の実質負担は200万〜230万円前後になることが多いです。
ここでは、
男性:7割負担、女性:3割負担
と仮定すると、男性側の負担は
200〜230万円 × 0.7 ≒ 140〜160万円
と見ておきましょう。
2-3. 指輪・新婚旅行・新生活の費用
- 婚約指輪・結婚指輪:40〜60万円
- 新婚旅行:40〜60万円
- 新生活の初期費用(敷金礼金・家具家電など):80〜120万円
夫婦で折半したとしても、男性側の持ち出しは合計で80〜120万円程度になります。
ここでは中間値をとって、
指輪+新婚旅行+新生活(男性負担分)=100万円
と仮定します。
2-4. 日本人同士の結婚:男性の総額
以上をまとめると、
- 相談所トータル:78万円
- 結婚式・披露宴の男性負担:150万円(中間値)
- 指輪・旅行・新生活:100万円
パターンA(日本人同士)男性の合計負担額:
約328万円(およそ300〜350万円ゾーン)
3.ベトナム人女性との国際結婚にかかる費用(パターンB)
次に、日本人男性×ベトナム人女性で、
「式はベトナム現地・式費用は女性側負担・結納金100万円あり」のケースです。
3-1. 国際結婚相談所の費用
国際結婚向けの相談所は、通訳やベトナム側の家族調整、
婚姻手続きサポートなどが入るため、日本の一般的な相談所よりやや高めになります。
- 入会金・登録料・サポート費:40〜60万円
- 月会費・お見合い調整・通訳:20〜30万円
- 成婚料:40〜60万円
相談所トータル:およそ100〜150万円
ここでは中間値として120万円で計算します。
3-2. ベトナム渡航&現地滞在費
- 日本〜ベトナム往復航空券:1回 5〜10万円
- 現地でのホテル・食事・移動費:1回 5〜10万円
交際〜家族挨拶〜結婚式までに2〜3回渡航することが多いので、
渡航+滞在トータル:30〜40万円
と仮定し、中間値35万円で計算します。
3-3. 婚姻手続き・ビザ関連の費用
- 書類の翻訳・認証代
- 日本とベトナムの役所手続き
- 必要に応じて行政書士への依頼
→ 合計でだいたい 5〜15万円
ここでは10万円で計算します。
3-4. 結納金(ここが重要ポイント)
ベトナムでは、結婚式費用を新婦側の家族が負担する文化の代わりに、
- 金の三点セット(24Kのネックレス・ブレスレット・指輪など)
- 現金の結納金
を新郎側が準備するケースが一般的です。
この記事では、最初の前提どおり、
金の三点セット+現金で合計約100万円
を想定します。
3-5. ベトナム現地の結婚式費用
- 式場・料理・音響など、結婚式全体の費用は
女性側の家族が負担する前提です。 - 日本人男性はゲストとして参加し、
ご祝儀やお礼のプレゼントを渡す程度。
ここでは、
家族・親族へのお礼や贈り物:20万円
を見込んでおきましょう。
3-6. ベトナム人女性との結婚:男性の総額
ここまでを合計すると、
- 国際結婚相談所トータル:120万円
- ベトナム渡航&滞在:35万円
- 婚姻手続き:10万円
- 結納金(金の三点セット+現金):100万円
- 家族へのお礼・プレゼント:20万円
パターンB(ベトナム人女性)男性の合計負担額:
約285万円(およそ260〜300万円ゾーン)
4.数字で比較:男性の持ち出しはいくら違う?
2つのパターンを並べてみます。
| パターン | 男性のトータル負担額(モデルケース) | 特徴 |
|---|---|---|
| A:日本人同士の結婚 | 約328万円 | 結婚式費用を中心に、まとまった出費が大きい |
| B:ベトナム人女性との国際結婚(式はベトナム現地、男性は式費用負担なし、結納100万円) | 約285万円 | 結婚式費用は女性側が負担。代わりに結納金100万円+渡航費など |
差額は、
328万円 − 285万円 = 約43万円
となり、
モデルケース上は約40〜50万円ほどベトナム国際結婚の方が安くなるイメージです。
ただし、日本式の結婚式をもっと豪華にすれば差額はさらに広がりますし、
ベトナムへの渡航回数が増えれば差は縮まります。
現実的には、
- 日本人同士:300〜400万円台
- ベトナム人女性:250〜300万円台
というゾーンで、
数十万〜100万円前後の差がつくことが多いと考えるとイメージしやすいでしょう。
5.「コスパが良い」のはお金だけではない
5-1. キャッシュフローの違い
日本人同士の場合:
- 結婚式の申込金や前払いなど、
早い段階で数百万円規模のキャッシュアウトが発生
ベトナム国際結婚の場合:
- 相談所費用、渡航費、結納金などが分散して発生
- 結婚式費用そのものをドンと支払う必要がない
心理的にも、
「一気に300万円払う」のか、
「1〜2年かけて少しずつ準備していく」のか
で、かなり負担感が変わります。
5-2. 「式より、その後」にお金を回しやすい
ベトナム現地での式は、
家族・親族中心でアットホームに行われるケースが多く、
- 「豪華な演出」よりも「家族同士のつながり」を重視
- 浮いたお金を、新生活の貯金や将来の教育資金に回しやすい
という意味で、人生トータルのコスパは高いと言えます。
5-3. もちろん「見えないコスト」もある
一方で、国際結婚には
- 言語・文化・価値観の違い
- ビザや在留資格の更新
- お互いの家族とのコミュニケーション
といったお金では測れないコストも存在します。
だからこそ、
「お金のメリット」だけで決めるのではなく、
「価値観が合うか」「一緒に歩んでいけるか」
を丁寧に確認することが大前提です。
6.まとめ:ベトナム国際結婚は「式費用ゼロ+結納100万円」という構造がポイント
最後に、ポイントを整理します。
- 日本人同士の結婚は、
- 結婚相談所費用+結婚式+指輪+新生活で
- 男性の持ち出しは300〜350万円前後が一つの目安
- ベトナム人女性との国際結婚(式はベトナム現地・男性は式費用負担なし・結納100万円)の場合、
- 国際結婚相談所費用+渡航費+手続き+結納金で
- 男性の持ち出しは250〜300万円前後に収まりやすい
- 大きな違いは
「日本式:式場に数百万円」
「ベトナム式:式費用は女性側家族、男性は結納100万円」 - その結果、モデルケースでは
ベトナム国際結婚の方が数十万〜100万円程度お得になる可能性が高い
「結婚式にお金をかける」か、
「将来の生活のためにお金を残す」か。
ベトナムとの国際結婚は、
後者を選びたい男性にとって、数字で見ても合理的な選択肢になりえます。

