ベトナム料理の調味料5つ|日本での買い方と使い分け
ベトナム人女性と暮らし始めると、台所の棚に見慣れないボトルが並びます。何がどの料理に使われているのか分からないまま、気づけば増えている、という方も多いはずです。
本記事では、ベトナム料理でよく使われる調味料5つを、役割と使い分けから整理します。あわせて日本での入手方法と保存の仕方にも触れます。
覚えるべき数は多くありません。この5つを押さえておけば、家庭で作られる料理のほとんどは説明がつきます。
ベトナム料理の味は5つの要素でできている
ベトナム料理の味は、ヌクマムの塩気、ライムの酸味、唐辛子の辛み、ハーブの香り、ココナッツミルクの甘みという5つの要素の組み合わせでできています。日本の家庭料理が醤油・みりん・酒・砂糖・出汁で組み立てられているのと同じ発想です。
5つの調味料の役割
| 調味料 | 担う役割 | 日本で近いもの |
|---|---|---|
| ヌクマム(魚醤) | 塩気とうまみ | 醤油 |
| ライム | 酸味と香り | 酢、レモン |
| 唐辛子(チリ) | 辛み | 一味、豆板醤 |
| レモングラス | 香りづけ | 生姜、ゆず |
| ココナッツミルク | 甘みとコク | みりん、生クリーム |
この5つを混ぜる比率を変えることで、北部のあっさりした味から南部の甘めの味まで作り分けられます。
単体で完成させず、組み合わせる
ベトナム料理では、1つの調味料で味を決めるのではなく、複数を組み合わせて輪郭を作ります。塩気だけ、酸味だけでは成立しない構成になっています。
家庭の食卓に必ず置かれるつけだれ(ヌクチャム)も、この考え方の延長にあります。
家庭の食卓の組み立て
調味料が食卓でどう使われるかはベトナム人妻の家庭料理にまとめています。
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ヌクマム(魚醤)が味の土台になる
ヌクマムは魚を塩漬けにして発酵させた調味料で、ベトナムの家庭では日本の醤油と同じ位置を占めます。最初に覚えるべき1本です。
何にでも使う
炒め物、煮物、スープの味つけ、つけだれのベース。使われない場面のほうが少ないほどです。
日本の醤油を使う場面をそのまま置き換えて考えると、用途がつかめます。
香りは加熱で落ち着く
開封したてはにおいが強く感じられます。苦手意識を持つ方もいますが、加熱すると角が取れ、うまみだけが残ります。
生のまま使うのはつけだれを作るときで、そこではライムと砂糖が香りを和らげます。
つけだれ(ヌクチャム)の作り方
ヌクマム、砂糖、ライムの絞り汁、水、唐辛子、にんにくを混ぜたものがヌクチャムです。分量は家庭ごとに違い、甘めにする家もあれば酸味を効かせる家もあります。
生春巻きや揚げ春巻きにはこのたれを添えます。妻に一度作ってもらい、その配合を覚えておくのが最も早い方法です。
選び方
銘柄によって塩分と香りに差があります。原材料と塩分濃度の表示を見て選びますが、最初は妻が選んだものをそのまま使うのが確実です。
ライムと唐辛子で輪郭をつける
ライムの酸味と唐辛子の辛みは、ヌクマムの塩気とセットで使われます。この3つが揃うと、一気にベトナムの味になります。
ライムは仕上げに搾る
ベトナムではライム(チャイン)が広く使われます。麺料理や炒め物の仕上げに搾ることで、味が締まります。
日本ではレモンで代用できますが、香りは少し変わります。近年はライムを置くスーパーも増えました。
唐辛子は生と加工品を使い分ける
生の唐辛子を刻んで使うほか、チリソースやチリペーストも使われます。辛さの好みは個人差が大きいため、料理に混ぜ込まず食卓で足す形にすると双方が食べやすくなります。
辛さの感覚をすり合わせる
中部出身の女性は辛めの味つけを好む傾向があるとされますが、家庭差もあります。作る側と食べる側で辛さの基準がずれると、毎日のことなので負担になります。
最初のうちは唐辛子を別添えにしておくのが無難です。
レモングラスとココナッツミルク
レモングラスは香りづけ、ココナッツミルクは甘みとコクを足すために使われます。この2つが入ると、家庭料理らしい仕上がりになります。
レモングラスの使い方
イネのような見た目のハーブで、柑橘に似た香りがあります。根元の白い部分を刻んで炒め物に使う、たたいて鍋に入れて香りを移すといった使い方をします。
繊維が硬いため、大きく切って入れた場合は食べずに取り除きます。知らずに噛んで驚く方がいます。
冷凍で保存できる
生のレモングラスは日本では手に入りにくい時期があります。刻んで冷凍しておけば長く使えるため、手に入ったときにまとめて処理しておく家庭が多くなります。
ココナッツミルクの使い方
南部の料理でよく使われ、甘みとコクを加えます。カレーのような煮込みや、チェーというデザートに使われます。
缶入りのものが日本でも手に入ります。開封後は日持ちしないため、小分けにして冷凍しておくと使い切れます。
南部の味は甘め
ココナッツミルクや砂糖を使う頻度は南部ほど高くなります。彼女の出身地によって、台所に置く調味料の顔ぶれも変わります。
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日本での買い方
ヌクマムやココナッツミルクは通販とアジア食材店で手に入り、近年は大型スーパーでも扱う店が増えています。以前より入手しやすくなっています。
買える場所
- アジア食材を扱う専門店
- 大型スーパーの輸入食品・エスニックコーナー
- 業務用食材を扱う店
- 通販
在日ベトナム人が多い地域には、ベトナム食材を扱う店があります。妻にとっては買い物そのものが安心材料になるため、近くにあるかどうかを一度調べておくと喜ばれます。
生鮮のハーブだけは手に入りにくい
調味料は揃っても、ベトナム料理で使う香草の多くは日本で手に入りません。パクチー以外は種類が限られます。
家庭菜園でレモングラスやシソ科のハーブを育てる夫婦もいます。全部は揃わない前提で考えるほうが気が楽です。
保存の考え方
- ヌクマム:開封後は冷暗所または冷蔵
- ライム:使い切れない分は搾って冷凍
- レモングラス:刻んで冷凍
- ココナッツミルク:開封後は小分けにして冷凍
日本の調味料との使い分け
ヌクマムと醤油はどちらも塩気を担うため、両方を同時に入れると味が濃くなりすぎます。置き換えの発想で使うと失敗しません。
醤油の代わりに使う
日本のレシピでベトナム風にしたい場合、醤油をヌクマムに置き換えると近づきます。分量は同じでは塩辛くなることがあるため、少なめから試してください。
出汁の考え方が違う
日本の家庭料理は昆布や鰹の出汁を土台にしますが、ベトナムでは魚醤のうまみと、肉や骨から取ったスープが土台になります。
出汁を足すという発想がないため、日本の味を出したい料理は夫が作るほうが早い場合があります。二人の食卓に合わせる
どちらかの味に寄せるのではなく、料理ごとに使い分けている家庭が多くなります。日常の分担はベトナム人女性との結婚生活にまとめています。
よくある質問(FAQ)
ヌクマムと醤油は何が違いますか?
どちらも塩気とうまみを担いますが、ヌクマムは魚を発酵させた魚醤です。醤油の代わりに使うと考えると分かりやすくなります。
ヌクマムのにおいが苦手です。
加熱すると香りの角が取れます。生で使うつけだれでは、ライムと砂糖が香りを和らげます。
ライムはレモンで代用できますか?
代用できます。香りは少し変わりますが、酸味の役割は果たせます。
レモングラスはそのまま食べられますか?
繊維が硬いため、大きく切って入れた場合は食べずに取り除きます。刻んで使う場合はそのまま食べられます。
調味料はどこで買えますか?
アジア食材店、大型スーパーの輸入食品コーナー、通販で手に入ります。在日ベトナム人が多い地域には専門店もあります。
全部そろえないと作れませんか?
まずヌクマムとライムがあれば、多くの料理に対応できます。残りは必要になったときで十分です。
まとめ
ベトナム料理の味は、ヌクマムの塩気、ライムの酸味、唐辛子の辛み、レモングラスの香り、ココナッツミルクの甘みという5つの要素の組み合わせでできています。
最初に覚えるべきはヌクマムです。日本の醤油と同じ位置づけで、炒め物から煮物、つけだれまであらゆる場面に使われます。においが気になる場合も、加熱すれば角が取れます。
日本では調味料は通販やアジア食材店で手に入りますが、生鮮のハーブは入手が難しいのが実情です。まとめ買いして冷凍しておくのが続けるコツになります。
家庭の食卓の組み立てはベトナム人妻の家庭料理、代表的な料理はベトナムの有名な食べ物15選にまとめています。
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(本記事は2026年8月時点の情報にもとづきます。味つけや使い方には地域差・家庭差があります。最終更新: 2026年8月)
Supervisor
この記事の監修者
安仲 圭大(アオザイブライダル代表)
2021年よりベトナム・ホーチミン在住。現地で貿易を行う商社と不動産販売会社を経営し、ベトナム人仲人と日本人仲人の2名体制で、日本人男性とベトナム人女性の国際結婚をサポートしている。
執筆協力:Pham Thi Thanh An(シニアカウンセラー)
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